和のコンテンポラリー 理念
コンテンポラリー(Contemporary)=
現代の、同時代に存在する
「和のコンテンポラリー」は、アートをとおして私たち日本人としてのアイデンティティと伝統を象徴する「和」を、現代的な視点や表現で世界に発信するとともに、同じ時代に生きる人々や社会と共感することを願っています。
表現は多様であっても、原点は、 素描の美しさと鍛錬された技術による純粋な感動の実現を目指しています。ひとりひとりが個の力を高め「和」として集結して新しい価値観を創り出す。それは、悲しみと喜びを共感し合える、感動に満ちた社会を創造することです。
喜びあえる社会へ。それが、‘ 現代 ’ から ‘ 次世代‘ の世界につないでいくアートの役割です。 主たるメンバーは、香川県出身者です。そして、わたしたちが国内外での活動をおこなう中で出会ったアーティストと共に、国内外での展覧会、絵画教室、 出前教室、子どもワークショプ、文化事業を開催しています。
香川から世界へ、そして世界から香川へと芸術を通して交流し、文化芸術の豊かな発展に貢献できるよう謙虚に努めてまいります。 みなさまのご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
代表 濱野 暢子
主たる活動
国 内 外 展 覧 会
絵 画 教 室
子 ど も と 家 族 の アートプ ロ グ ラ ム
次 世 代 芸 術 家 育 成 プ ロ グ ラ ム
次世代芸術家育成プログラム
理念
展覧会に出品された国内外の若手(学生を中心とする)出品者の中から選出し、展覧会や個展発表の支援を行っています。将来、世界的に活躍できる若手芸術家の育成・支援を目的とし、学術的な意義を持つと共に、異なる文化背景を持つ次世代の作家が作品を並べ、ともに活動することで、互いの制作姿勢への刺激となることを目指します。 また、総論性に加えて一人ひとりの考えを見極めて関係をつくっていくこと、芸術教育活動として長く構築してきた信頼性の上に展開していくことが大切であると考えています。
「第8回和のコンテンポラリー」では、2022年に開催した第7回和のコンテンポラリーに出品した学生の中から国内外3名を選出し展覧会を開催いたします。また、版画ワークショップや講演会を同時開催いたします。
みなさま、どうぞご高覧賜り、次世代のアーティストの活動に背中を押して頂きますようよろしくお願い申し上げます。
工藤桃子
見る自分、見られる自分
私は身近な鳥を観察し、動きや視線、意識が感じられるような作品を目指して絵を描いている。興味を持って鳥を見る時、見られる鳥たちは自身の生存本能からこちらを注視する。私はここから、見ることと見られることの関係は曖昧で、意識の違いで自分と対象の立場は簡単に変わってしまうのではないかと考えた。一方的に見ていたはずの自分自身も観察対象に観られているということの曖昧さと、そこから生まれる緊張感を作品に表現していきたい。
Artist File
工藤桃子
見る自分、見られる自分
カロリーナ
レフェク
種 差 別 の 表 層
Karolina
LEFEK
種差別の表層
三谷彩乃
ふとした瞬間の美しい光
移り変わり同じものにひとつもならない。だけれど、どんな時でもそこにある不変的な美しさを持った広大な空。それはどんな時代でも人々の隣にあった。変わっていく中にある変わらないもの、その中でも特に一瞬のうちに変わっていく光に魅せられた。光が屈折し、透過し、遮られる事により生み出される色彩や空気。その複雑さや多様性、そしてそれらが融和している様を描いた。それは多様さを求められた今の時代に必要なものだと私は考えている。
Artist File
三谷彩乃
ふとした瞬間の美しい光
PROGRAMME
EXHIBITION
日時:2023年 8月19日(土) - 8月26日(土)
10:00am - 5:00pm
場所:ホワイトキューブ高松つくもギャラリー(香川県高松市)
出品者:
カロリーナ・レフェク
(カトヴィツェ美術大学院修了/Poland)
工藤 桃子
(女子美術大学 美術学科 洋画専攻3年/Japan)
三谷 彩乃
(多摩美術大学 絵画学科 油画専攻3年/Japan)
詳しくはこちら
アクセス:
〒760-0068
香川県高松市松島町1丁目13-14 九十九(つくも)ビル1F
近隣の駐車場:
あなぶきパーク 松島町第2、 たかまつミライエ
WORKSHOP
【〆切 満員御礼】
ポーランドの木版画講座
日時:2023年 8月18日(金)
1:00pm - 4:00am
場所:香川短期大学 4階絵画教室
講師:カロリーナ・レフェク
カロリーナ・レフェクが所属するカトヴィツェ美術大学は、版画による作品制作が盛んであり、国際的に高く評価を受けています。木版画は日本でも長い歴史を持ち世界的にも影響を与えています。木版画を専門とする次世代芸術家を講師に迎え、日本とポーランドの文化・芸術の違いを感じながら、版画制作を行います。言語・非言語のコミュニケーションを体験することができ、参加者が互いの文化の独自性だけでなく共通点を見出すことを目的としています。
対 象:県内の大学生・高校生を中心に広く一般30名
参加費:大人2,000円/高校・大学生1,000円
終了/申し込みフォーム
アクセス:
〒769-0201
香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁10番地
JR宇多津駅北口徒歩5分
LECTURE
【香川短期大学会場のみ若干募集】
世界的評価の高いポーランドの版画芸術の発展・現状や日本との文化交流について
日時:2023年 8月20日(日)
5:30pm - 7:00pm (日本時間)
場所:カトヴィツェ美術大学 ⇄ 香川短期大学
サテライト:香川県立高松東高等学校・ホワイトキューブ高松つくもギャラリー (On-line)
講師:
アルトゥル・マステルナク准教授
シビラ・スカウバ講師
(カトヴィッツェ美術大学)
進行:濱野 暢子
(和のコンテンポラリー代表・香川短期大学教授・ノーサンブリア大学Visiting Fellow)
対 象:県内の大学生・高校生・一般 各会場30名
参加費:無 料
終了/申し込みフォーム
アクセス:
〒769-0201
香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁10番地
JR宇多津駅北口徒歩5分
Raciborska,37, 40-074, Katowice, PLAND
REPORT
EXHIBITION
衆議院議員 大野 敬太郎 先生 Mr OHNO Keitaro, Member of the Diet
香川県知事 池田 豊人 様 Mr IKEDA Toyohito, Governor of Kagawa Prefecture
前香川県知事 浜田恵三 様 Mr HAMADA Keizo, Former Governor of Kagawa Prefecture
宇多津町長 谷川 俊博 様 Mr TANIKAWA Toshihiro, Town Mayor of Utazu
香川県議会議員 天雲 千恵美先生 Ms Chiemi Tenkumo, Kagawa Perfectural Council Member
元百十四銀行頭取 竹﨑 克彦 様 Mr TAKESAKI Katsuhiko, Former President of the Hyakujushi Bank, Ltd.
高松商工会議所 常務理事兼事務局長 長井 一喜 様 Mr NAGAI Kazuki, Director and the Secretary -general of Takamatsu Chamber of Commerce
宇多津町議会議員 藤本 和代様、他 Ms FUJIMOTO Kazuyo, Town Councilor of Utatzu, and others
WORKSHOP
展覧会前の企画として、出品者のカロリーナ・レフェクを講師として迎え、大学生や高校生38名を対象に、ポーランドの木版画講座が開催されました。カロリーナ・レフェクが所属するカトヴィツェ美術大学は、版画による作品制作が盛んであり、国際的に高く評価を受けています。日本でも長い歴史を持ち世界的にも影響を与えている木版画を専門とする次世代芸術家を講師に迎えました。日本とポーランドの文化・芸術の違いを感じながら、版画制作を行いました。参加者が互いの文化の独自性だけでなく共通点を見出しながらの指導のもと、密度の高い制作時間を過ごして頂いたと思います。
As a pre-exhibition project, a Polish woodcut workshop was held for 38 university and high school students with the exhibitor Karolina Lefek as a lecturer. Academy of Fine Art in Katowice, to which she used to belong as a postgraduate student, is internationally acclaimed for its active production of prints. We invited the next generation of artist specialising in woodcut prints, which have a long history in Japan and have had a global impact to lead the workshop. The participants made their own woodcut, while feeling the difference between Japan and Polish culture and art. We believe that they spent a productive time under the guidance of Karolina, feeling not only the uniqueness of each other's cultures but also their similarities.
LECTURE
2023年 8月20日(日)5:30pm - 8:00pm (日本時間)
高校生や大学生を主な対象として「世界的評価の高いポーランドの版画芸術の発展・現状や日本との文化交流について」をテーマにカトヴィツェ美術大学 ⇄ 香川短期大学をオンラインで開催いたしました。約60名の参加者からの講師への質問は、制作へのモチベーションの維持やテーマの決め方など表現者としてのリアルな悩みが上がりました。
講師:Artur MASTERNAK, PhD. (アルトゥル・マステルナク准教授)・Sybilla SKALUBA PhD.(シビラ・スカウバ講師)共にAcademy of Fine Arts and Design in Katowice(カトヴィッツェ美術大学)
サテライト:香川県立高松東高等学校・ホワイトキューブ高松つくもギャラリー
進行:濱野 暢子
通訳:大嶋 寛子
Sunday, 20 August 2023, 5: 30pm - 8 : 00pm ( Japan time )
Online lecture connecting between Academy of Fine Arts and Design in Katowice and Kagawa Junior College was held on the theme of ‘The development and current state of printmaking in Poland, which is highly regarded worldwide, and cultural exchange with Japan’ mainly f or high school and university students. The questions a sked to the lecturer from some students from the about 60 participants raised real concerns as an artist, such as maintaining motivation for production and how to decide on a theme of their work.
Lecturers: Artur MASTERNAK, PhD and Sybilla SKAŁUBA
PhD., Academy of Fine Arts in Katowice
Satellite: Takamatsu Higashi High School, White Cube Takamatsu Tsukumo Gallery
Facilitator: HAMANO Nobuko
Interpreter: OSHIMA Hiroko
MEDIA
掲載:四国新聞 2023年8月25日
GRATITUDE
お礼
Participating in the "8th Wa no Contemporary" was a wonderful and very valuable experience for me. Thank you all for the professionalism in organizing this event and the amazing atmosphere. It was a beautiful adventure!
I am very grateful to Prof. Nobuko Hamano and Prof. Toshihiro Hamano for the invitation and care. It was a great pleasure and honor to meet such inspiring people as them. My big dream was come to Japan, but a few months ago I didn't know that dreams come true so quickly. I'm glad for the opportunity to meet many amazing people, talk with them and learn about the unique culture of Japan, which I love. All this was a valuable experience for me and extremely inspiring for further artistic activities. I hope this will give me the opportunity to continue my artistic development and create art, especially in the field of graphics. I would really like to return to Japan as soon as possible!
「第8回和のコンテンポラリー」に参加できたことは、私にとって素晴らしく、とても貴重な経験でした。このプログラムを開催された皆様のプロ意識と素晴らしい環境に感謝します。なんとも美しい冒険でした!
濱野年宏教授、濱野暢子教授のお心遣い、ご支援に感謝いたします。また、たくさんの素晴らしい人たちに出会えたことを嬉しく、光栄に思っています。私の夢は日本を訪れることでしたが、数ヶ月前は夢がこんなに早く実現するとは思いませんでした。多くの素晴らしい方たちと出会い、対話し、私が愛する日本の独特の文化について学ぶ機会をいただき嬉しく思います。
これらの全ては貴重な経験であり、今後の制作にとって非常に刺激になるものでした。芸術家としての成長と、特に版画の分野における作品制作に背中を押してくれることを願っています。できるだけ早く日本に戻ってくるきたいと思っています!
What the three of us had in common was that we used nature as the subject of our work. In particular, through my interaction with Karolina, I learned that Polish students have international perspectives and create their works with their own assertiveness. In order for me to play an active role in the future, I would like to expand my horizon beyond what I can see now and pursue the theme of my work. Finally, I would like to express my sincere gratitude to whose who have chosen us to be part of the programme with the objective to foster the next generation of artists and supported us. We will continue to do our best so play an even more active role from our hometown of Kagawa Prefecture.
今回、私たち3人は自然をモチーフにしているという共通点がありました。その中でも、カロリーナさんとの交流を通して、ポーランドの学生は国際社会に目を向けており、それぞれの主張をもって作品を制作していることを知りました。私自身がこれから活躍していくためにも、今自分が見えているところよりもさらに外側へと意識を広げ、作品のテーマを追求していきたいと思います。最後に、今回の次世代芸術家育成プログラムに選抜してくださり、支えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。地元である香川県からさらに活躍できるよう、これからも精一杯励んでまいります。
Through the three persons exhibition, I realised that we are influenced by our society we have been living in. I felt that Karolina was expressing her thoughts, and Momoko seemed to try to look deeply into them. Working together with them has made me think that we need to have our own ideas and face the work from a broader perspective. I want to paint mental landscapes that are close to the hearts of people who transcend time, culture, time and space, so that people who see the painting will remember the beautiful scenery they saw someday. Last but not least, I would like to express my sincere gratitude to the people who came to the exhibition and supported it. It is thanks to everyone supported us that we were able to hold such an exhibition in our hometown of Kagawa. I would like to continue to face with my artworks and deepen them.
今回の展覧会を通して自分達はこれまでに生きてきた社会に影響を受けていることを実感しました。カロリーナさんは自分の考えを発信し、工藤さんはその内に入り見つめるように向き合っていると感じました。共に活動をする中で、自分の考えを持ちもっと広い視点で作品と向き合っていかなければならないのだなと考えさせられました。絵を見た人がいつか見た美しい景色を思い出すような時代や文化、時空を越えるひとびとの心に寄り添える心象風景を描きたいです。最後になりますが、展覧会に来てくださった方々、展覧会を支えて下さった方々本当にありがとうございました。地元香川でこうして展覧会を行えたのも皆様のおかげです。これからもさらに自分の作品と向き合い深めていきたいと思います。
Thanks to everyone’s support, ‘the 8th Wa no Contemporary’ has come to the end. Karolina has returned to Poland, and Momoko and Ayano have returned to their Universities in Tokyo. They are now gone back to their usual days of study and production of artworks. Thank you for coming to the exhibition and giving warm encouragement to the next generation of artists. I think all three of them have begun to develop the strength to express their gratitude to everyone. Please watch over the three of them sternly but warmly. We, the members of Wa no Contemporary, will support the next generation of artists who are sincerely engaged in their work. Recently, we often hear about supports for young people, but I believe that it is important to build relationships which is based not only on a broad viewpoint but also on each individual's ideas, and to develop activities firmly on the trust established over many years and in the continuation of it. We will humbly strive to contribute to the rich development of culture and art by interacting with the world directly from Kagawa through art. Thank you for your guidance and support.
「第8回和のコンテンポラリー」もお陰様で終了いたしました。カロリーナはポーランドへ、工藤さん三谷さんも東京の美術大学へ戻り、いつもの制作の日々に戻りつつあります。お越しくださり、また、次世代の芸術家たちに背中を押して頂きありがとうございました。3名ともみなさまへの感謝と展開していく強さを身に付けはじめたと思います。今後の3人を厳しくも温かく見守ってください。わたしたちメンバーは、真摯に制作に向き合う次世代の芸術家を支援させて頂きます。昨今、若手支援はよく耳にしますが、総論的というより、一人一人の考えを見極めて関係を作っていくことを何より重要としております。それは長い年月の中で築き上げてきた信頼関係と、その継続の中においてでしか成立しません。香川から世界へ、そして世界から香川へと芸術を通して交流し、文化芸術の豊かな発展に貢献できるよう謙虚に努めてまいります。 みなさまのご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。